ツインの絆
「京子、その白骨死体はどこにあるの。」
「さあ、警察に聞けば分ると思うけど… そうか、豊橋の警察に電話して聞いてみたら。きっと豊橋辺りの警察の管轄だと思う。聞いてみようか。」
真理子の様子から、京子は友達の為、とばかりに如才なく行動した。
遊び友達と言っても、お互い家に居場所の無い少女二人。
不思議な親近感で繋がっていた。
豊橋警察署に確認したところ、白骨死体は貴島洋介25歳と告げられた。
そして、その骨と化した遺体は、豊川に住む両親に引き取られ,今夜密葬される事を知った。
それも父親の出身地・御油と言う所にある小さな寺でひっそりと行われるらしかった。
「御油なら豊川より近いじゃあない。行ってみる。私、付き合うよ。」
「うん。」
二人は教えられた御油の寺まで出かけたが… 家族に声は掛けられず,隠れて様子を見ていた。
それは両親と、赤ん坊を背負った姉らしい女だけの淋しいものだった。
住職の唱える経だけが虚ろな空間を現実のものにしているが、父親も姉も、洋介が誰にも看取られずに、白骨になるまで発見されなかった事に対して何も感情が動かないのか,無表情、まるで次元の異なる世界にいるような顔をして座っている。
ただ母親だけは肩を震わせて泣きじゃくっている。
そして住職の経が終わり、墓への埋葬準備のために家族だけになった時、はっきりとした会話が聞こえてきた。