27歳フリーター・カラオケ屋でバイト
俺と後輩たち
「のっくん先輩――!!たこ焼き破裂しました!!!!!」


カラオケ屋でバイトを始めて2年
学生や、俺と同じフリーターはみんな俺より少しばかり年が若い
2年もすればアルバイトなら古株から数えた方が早くなる

今のところ、バイト八人全員年下で数え27歳の俺は古株から2番目だ


―――ていうか、破裂?

「香織ちゃん、どーやってたこ焼き爆発させんの」

フロントでサービス券に店舗印を押していくという地味な作業をしてた俺は、とりあえず助けを求めて厨房から叫ぶ19歳の元に駆けつけた


「油の中入れただけなんですけどー・・・」

そこには確かに、破裂して中の申し訳程度のタコが見え隠れする「元・冷凍たこ焼き」があった


「あー。コレね、先にレンチンしてからフライヤーだから。つか油の温度設定高っ・・・誰だよ200℃にしたの」

独り言を交えてレシピ説明をしてると、香織ちゃんは元気よく返事して

――――ん?

「でも形悪いけどおいしーですよ、うちのたこ焼き」

食うんだ?!


いや、それ一応食材ロスだし廃棄だし
食っちゃダメだし


「あ、そお?んじゃソースかけて全部食っちゃっていいよ」

小心者な俺はダメな先輩
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