世界で1番アイシテル



―――――…


「―――…あたししか
いないと思うの。」


そう言った後

あたしの涙は止まらなくて…



お兄ちゃんは優しくあたしを


抱きしめてくれた。



そんな時……


ガチャ


「「あ。」」

「りん〜…、飯…って!は?!


兄貴!お前なに
りんの事泣かしてんだよ!」



稜が入ってきた。



稜は何か勘違いしてたみたいで


必死に説明すると

なんだよ……、と

少し照れくさそうだった。



「あ、りん、そんな事より
姉貴が飯どうする?だって〜。」



うまく話を変えたところには
あえて突っ込まないであげよう。


それにしても…

お姉ちゃんが作って
くれるんだよね?

お姉ちゃんのご飯

美味しいだよね〜っ。


「どうする?」

「あ……食べたい、デス…。」


素直に、でも少し悪い気がして
返事をした。



「よし、行くか!」


そんなあたしに気づかず

稜がそう言った瞬間



ごつん!



「……あ!」


何かが足に当たったと思い見れば



それはなりちゃんの

スクールバッグだった。




< 103 / 126 >

この作品をシェア

pagetop