世界で1番アイシテル
「おばさん……。
その話は何度も断ってるし…。
おばさんの気持ちは
凄く嬉しいけれど…
転校も考えたくないし
今あたしは、この生活に
なんの不満もないんです。」
きっぱり言った。
本当になんの不満もない。
いつだってみんな
泊まりに来れるし
何したって怒られない。
父親とも1ヶ月に
1回は絶対に会ってるし。
『そう…。わかったわ。』
ガチャン、プーップーッ
「またあの話?」
ストンとソファーに座ると
翼がケータイをいじりながら
聞いてきた。
翼はあたしの友達の中で
ただ1人だけ
あたしがおばさんに
呼ばれてるのを知ってる。
「ん〜……。
また言われそうかも〜…。」
あの切り方だと
絶対かかってくるよ〜。
面倒くさいなあ。
「着拒すればいいじゃん。」
「家電だよ?
ケータイでもないし。
…あっ!!ケータイ!」
ケータイの存在忘れてた!
急いでカバンをあさる。
カバンの底からケータイをとり
画面を見ると
「うわっ」
着信21件、メール32通…。
有り得ない数字が並んでた。
「なんだよそれ……。
誰から?」
パッと翼にケータイを取られる。
自分で見るのも怖いし
翼に見てもらおう……。
「誰からだった……?」
恐る恐る聞くと
「……遊夏…。」
「え?」