世界で1番アイシテル




あたしはかける言葉がなかった。


ただ黙って聞くしかなかった。


「あたし……
本当はセフレなんか嫌なの…。
体だけが繋がっても
心が繋がらなかったら
意味ないってわかってる…
わかってるのに……。

綾を求めちゃうの…
綾だけがいいの…。
綾を見ると
"綾に触れたい…!"
"綾に触れられたい…。"
って…思うの。」



「……うん。
わかるよ、なんとなく…。
綾の体温を
忘れられないんでしょ?
あたしも翼の体温を
忘れられないの………。」




なりちゃんもあたしも
それ以上何も話さなかった。


話せなかった。













涙を押し殺すのに必死で…。






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