世界で1番アイシテル



「なりちゃん、でも……」

「いいから。座ろう?」


グイッと腕を引っ張られ
席に座る。


「トイレ行ってくるから…。」


なりちゃんはそう言って
出て行ったきり、
帰って来なかった。



――――――――――…

「起立、礼、さよなら〜」

「りん、急げ!」


うん…とだけ言って
なりちゃんの机と荷物を見つめる




「なんだよ。
なりがそんなに
気になんのか?」


「………っ!?
当たり前ぢゃん!!」


どうでもいい
と言わんばかりの綾の態度に
感情が抑えられなかった。



「…………。」

「…………。」



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