世界で1番アイシテル
「お待たせ♪」
「……………」
綾の機嫌ゎMAXに悪い。
1時間も待たせたし
そりゃなるか。
「ごめんね?綾……?」
首を少し傾けて綾を覗き
潤んだ瞳で上目づかいをし、
甘い声で謝る。
「……っ///!」
一気に綾の顔が赤くなった。
この技を今時使わない
女子高生はいないだろう。
でもあたしがこれを修得したのは
小学3年生の時だった。
『男を落としたい時や
謝っても許して
もらえなさそうな時は
こうすればうまく行く。』
お姉ちゃんにそう教わったから。
ちなみにお姉ちゃんとは
あたしのお姉ちゃんじゃなく
綾のお姉ちゃん。
綾には21歳のお姉ちゃんと
19歳のお兄ちゃんがいてる。
あたしは一人っ子で
綾を見てると
兄弟がほしくなった。
それを赤城家(アカギ(綾の苗字)
に言ったらみんなが
『あたし達でいいなら
なってあげる。』
って言ってくれた。
だからお姉ちゃんと
お兄ちゃんって呼んでる。
「りん、聞いてんの?」
「え?何が。」
綾に突然呼ばれてびっくりする。
「だーかーらーっ!
姉貴ンとこ行く前に
俺の話聞けよ?
っつてんだよ。」
「あっ!うん!
………ってか、話あるの?」
「当たり前だろ!
だから遊んでんじゃん。」
軽い喧嘩になりながらも
引きずられるように
マックに入った。