世界で1番アイシテル



「………」
「………」

机の上にはマックシェイク
ポテトMサイズ
ファンタが並ぶ。


「なあ……。」

沈黙の中、綾が言った。


「お前、まぢで
遊夏でいいわけ?」


ドク……ッ


なりちゃんの事で頭がいっぱいで
遊夏のことなんて
すっかり忘れてた。



「翼から全部聞いたから。」


ドクンッ!


さっきより大きく脈打つ心臓。


「翼、泣いてたぞ…?」


つ、ばさ………。


「りん……?」



ダメ……
息が…詰まる…――っ。

「翼にしろよ。
自分に素直になれ。」


「―――…て。」


「このままじゃ
遊夏も、翼も、お前も…―
みんな傷つくぞ。
だから翼にしと「…っやめて!」


ダン……っ!

と机を叩く。

ポテトがいくつか床に落ちた。


店内は静まりかえった。

「りん…落ち着け。」


綾があたしの頭を撫でて
我に帰った。


「ごめん――…。」


「……もう、この話は
やめるか。」

「………ッ。」


その後は気まずい空気の中
買った物を食べて
綾の家に向かった。



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