世界で1番アイシテル
ガチャ
「…おじゃまします。」
「………。」
綾はいつものように
ただいまは言わず家に入る。
久しぶりの綾の家に
おずおずと挨拶する。
ドタドタドタ………っ!
奥の部屋から
すごい足音が聞こえた。
「りーんーちゃーんっ!」
「ぐぇっ」
ガバッ!っと足音の持ち主は
あたしに抱きついた。
「おっお兄ちゃん……っ」
「会いたかった〜っ
りんちゃあん!」
お兄ちゃんの凌弥くんだ。
「凌弥!
なにりんにセクハラしてんの?!
離しな!バカ!」
「お姉ちゃん!」
お兄ちゃんの金髪が
あたしの視界から消えたと思えば
次はお姉ちゃんの赤髪が見えた。
「兄貴も姉貴もうるせーよ。
静かにしろ。」
そう言って並んだ3兄弟。
右からお姉ちゃん、
お兄ちゃん、綾の順番。
見事に年順……。
お姉ちゃんは赤髪で
左の髪を三つ編みで
横はげにし、ピアスが
見えるだけで12個輝いてる。
お兄ちゃんは眩しい位の金髪で
きちんとワックスで
セットされた髪が
整ってる顔とピッタリ
マッチしていてかっこいい。
綾は明るいめの茶髪で
かるくセットされた髪に
着崩された制服、整った顔。
この3人を見て、
絶句しない人間はいないだろう。
「りん、あんた相変わらず
小さいね。」
お姉ちゃんがあたしの頭を
撫でて言った。
「えへへ……。でしょ?
でも今あたし153だよ♪
中2の時から5㎝も伸びたの♪」
「それでこんな小さいの?
りんちゃん可愛すぎ♪」
そう、あたしはチビ。