世界で1番アイシテル
―――ピンポーン。
チャイムが鳴った。
きっと冬奈だ。
俺は玄関に向かいドアを開けた。
「よう。」
にこやかに挨拶。
もう…
過去は捨てたから。
「お前、ふざけんな。」
そんな俺を怒りに満ちた目で
睨んでくる冬奈。
せっかく明るく声掛けたのに…
シカトかよ。
「何が。」
イラッとし、素っ気なく返す。
「……部屋で話す。」
部屋で話す?
いいよ、やってやる。
どうせ、殴るんだろ?
ドンっ!
「!!」
冬奈と重い空気のまま
自室向かい
扉を閉めた瞬間だった。
冬奈が俺を突き飛ばした。
「……ってぇ。
いきなりなにすんだよ!」
流石にキレた。
「あ゙?お前こそ何してんだよ。
お前、翼がりんの事好きなの
知ってんだろ?!
りんが翼を好きなのも!!」
「…………」
「黙んじゃねえよ!!
答えろよっ!遊夏っ!!」
怒鳴られた俺は俯く。
「やっぱ、冬奈には隠し事、
出来ねえな……。」
そう言ったあと
力なく笑みがこぼれた。