君に幸せの唄を奏でよう。



「で、どうする?」


あたし達は、ファーストフード店に来ていた。


「そうだね。僕は、9月のライブは出来ないと思うよ」


浩ちゃんは、冷静に答えた。


確かに、9月にライブをしてしまうと、文化祭のライブの練習は絶対に出来ない。


それに、オーディション用の曲も用意しないといけない。


「そっか…。仕方ないね」


佳奈が、残念そうに言った。


「俺もそうした方がいいと思う」


亮太は、ジュースを飲みながら言った。


「じゃあ、それで決まりね。選曲は、どうする?」


「そうだな…。やっぱ学校でやるから皆が知ってる曲がいいと思う」


亮太が、提案してきた。


「そうだね。私もそれがいいと思う」


「…でも、全部コピーは僕たちらしくないんじゃない?」


浩ちゃんが、テーブルに頬杖しながら言った。


「確かにそうね…。じゃあ、2曲はコピーで残りの1曲はオリジナルにしたらどう?」


これなら、浩ちゃんの案も亮太の案も両方入ってるし。


「僕は、それでいいよ」


「俺も。賛成」


「うん。私もその方がいいと思う」


「じゃあ、これで決定ね!」


後は、8月のライブと文化祭のライブに向けて練習すれば、大丈夫…………あれ?


「ねぇ…皆が知ってる曲ってなんだろう?」


「「「…………」」」


あたしが聞いた途端、皆は沈黙した。


「そういえば、俺らってコピーやった事ないな」


「だよね…?なにを選曲すればいいのかな?」


あたし達は、これまで1度もコピーをした事がない。


いつも、亮太と佳奈が曲を作ってきてくれるので、コピーをするという考え自体思いつかなかった。


「やっぱ、ノリがいい曲かな?」


文化祭だから、盛り上がる曲になるはず。




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