君に幸せの唄を奏でよう。



『唄の事が好きだから』


亮太から告白をされて、三日が経つ。幸いにも、バンドの練習は来週からなので助かった。

次に会う時、どんな顔をして会えばいいのかな…。

だって、あたしは亮太を傷つけた。合わせる顔がない。

そして、今までの様に戻れない。もう、笑い合ったり一緒に居られなくなるのかな…。

自分が傷つけたくせに、元に戻れるのを願ってしまう。これは、あたしの我が儘なのかな…。

『橘さんの事が好きなのか?』
『…分からない』

亮太に質問された時、なんで答えられなかったんだろ…。

あたしは橘 奏の事が好きなの?嫌いなの?

考え過ぎて、頭の中がグチャグチャになり混乱する。

とりあえず、お茶飲んで落ち着こ…。

考えるのを止め、仕方なくリビングに向かうリビングでは、音夜がアイスを食べていた。

「どうしたんだ?朝からずっと部屋に篭って」

音夜は、何かを察ししたかの様に聞いてきた。

「…文化祭でやるカバー曲を探してたの」

音夜に悟られないように嘘をつき、何事もない様にお茶を飲む。



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