君に幸せの唄を奏でよう。
心配してくれる音夜には悪いけど、ここで悟られたら、ややこしくなりそうで言えなかった。
何より恋愛の相談をしたことがないから、どう話したらいいのかも分からない。
「亮太から告白されたんだろ?」
「ッ?!ゴホゴホ!ゴクン…!ちょっと、お茶が喉に詰まりかけたじゃない!」
「お茶が喉に詰まるわけないだろ」
音夜に冷静なツッコミをされ、自分の間違いに恥ずかしくなって顔が熱くなる。
いや、そんな事よりも…
「なんで分かったの?!」
「なんとなく」
音夜は冷静に答え、アイスクリームを食べ続ける。
なんとなくで、あたしに起きた出来事を当てられるとか凄すぎ。
鈴木先生といい、橘 奏といい、音夜といい、皆あたしの心を読み過ぎよッ!あたしにプライバシーなんてないじゃない!
「てか、本当に気付いてなかったのかよ?」
「何が?」
あたしが答えると、音夜は呆れて「はぁ…」と溜息をつく。
「だから、亮太がお前のことを小学校の時から好きだったって気付いてなかったのかよ?」
はいぃぃぃ?!なんで、音夜は知ってるの?!
だけど、亮太から好きだっていうオーラを感じたことがない。