君に幸せの唄を奏でよう。
「その様子だと、気づいてなかったんだな。亮太は、7年前からお前に片思いして、告白をするタイミングを伺ってたんだ」
「という事は…亮太に相談されてたの?」
「相談なんかされた事ないし。てか、見てたら分かるし」
冷静に言う音夜の言葉を聞き、自分の鈍感に痛感する。
つまり、音夜は亮太があたしのことを好きだっていうのを、とっくの昔に気付いていた…。
「で、返事はしたのか?」
音夜の問いに、思わず黙り込んでしまった。
多分、音夜はあたしの考え察ししたのか、テレビを消した。
テレビから聞こえていた音が無くなり、シーンと静かな空気になる。気まずく、重苦しい空気があたし達を包む。
「……こんな事を言うのもあれだけど、俺はお似合いだと思う」
音夜は、少し気まずそうな表情で言う。
音夜の言っていることは分かる。だって、亮太は優しくて、側に居て楽しくて、気が合う人はいない。
だけど、それでもダメなの。やっぱり、あたしは亮太を恋愛感情でみれない。