君に幸せの唄を奏でよう。


あついなぁ…。


バスから降り、強い日差しから、顔を守るように手で陰を作る。

8月に入り、暑さが増した。強い太陽の日差しが、ヒリヒリと肌を焼き、ぬるい空気が体を包み込む。

日焼け対策として、ハットをかぶったり、日焼け止めを塗ったけど、強すぎる日差しに、効果があるのか心配。

今日は、バスで乗ってきたから良かった…。そう思いながら、ぶらぶらと街を歩く。

『そのついでに、気分転換と気持ちの整理をしてこい』

気持ちの整理か……。

早く、この胸のもやもやを解決しないと。でも、どんな方法を使えば、解決するのかな…。

一生懸命考えたけど、何も出てこない。そんな自分自身に、はぁ…と、溜息をこぼす。

これ以上、考えてもダメね…。とりあえず、今は気分転換をしよ。

音夜の気遣いを無駄にする訳にはいかない。

それに、せっかく来たんだから、買い物とかして楽しまなくちゃ。

特に、行きたいお店がないから、街でも探索しようかな。

そう思いながら、ぶらぶらと歩き出す。


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一通りに街を廻り、広場にある休憩場に向かう。

外にあるから、日に当たってるベンチに座っている人は誰も居ない。

逆に、日陰に入っているベンチには、子供から家族連れの人達が座っている。

中央に噴水があって、小さな子供たちが水遊びをしている。


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