君に幸せの唄を奏でよう。



なんだかデートしているみたい…って、違うでしょーー!あたしは、いつからこんなに乙女になったの?!

「決まったか?」

ドキッ!

突然、橘 奏が聞いてきた。

「え、うん。決まった」

まだ、決まっていないのに言ってしまった。

「じゃ、頼むぞ。すいません」

橘 奏は、店員を呼んだ。

あたしは、あることに気がついた。さっきから、さりげない“気遣い”をしている。

お礼したいって言ったら、アイスコーヒーが飲みたいからと、付き合ってくれ。

結構、いい奴なんだ。

「お待たせしました。ご注文は?」

店員が聞いてきた。

「先に頼みな」

橘 奏が、あたしに言ってきた。

えっ!まだ、決まってないんですけどっ!

あたしは、慌ててメニューを見た。

あっ!これにしよ!

「じゃ…アイスコーヒーとティラミスのセットで」
「はい」

店員は、あたしの注文をメモに書いていた。

「俺も同じやつを」

えっ…

あたしは、少しびっくりした。

「はい。ご注文を確認させて頂きます。アイスコーヒーとティラミスのセットを2つで、よろしいでしょうか?」
「「はい」」
「かしこまりました。少々、お待ち下さい」

店員は、そう言い厨房に戻った。

「ケーキ好きなの?」

あたしは、橘 奏に聞いた。

「まぁ、嫌いじゃない」

橘 奏は、そう答えてきた。

「そうなんだ。注文同じだったから少しびっくりした」

あたしは、思った事を言った。

「俺も。同じだったからびっくりした」

橘 奏も言ってきた。



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