君に幸せの唄を奏でよう。



「ケーキの中で何が一番好きなの?」

あたしは、聞いた。

「ティラミスとかチーズケーキとか「あたしもチーズケーキ好きよ」

あたしは興奮してしまい、橘 奏の言葉を遮った。

「チーズケーキって、結構好み分かれるよね」
「ああ。確かに分かれるな」

橘 奏は、頷きながら言った。

「ベークドチーズケーキもいいけど、やっぱり…」
「「レアチーズケーキがいい」」

あたし達は、ハモった。

「やっぱり、レアがいいわよね」

「ああ。俺もそう思う」
「お待たせしました」

店員が、注文した品を持ってきてくれた。

「ごゆっくり」

店員は、軽くお辞儀をして厨房に戻った。

「頂きます」

あたしは、ティラミスを一口食べた。

おいしい~!

ケーキ屋よりも美味しいと思った。

「フッ…ハハハ!」

突然、橘 奏が笑い出した。

「なっなんで笑うのよ!?」

あたしは、怒りながら言った。

もしかして、食べ方が汚かったとか?!

「いや…あまりにも美味しそうに食べてるから、つい笑ってしまった」

ドキッ!

橘 奏は、笑いながら言ってきた。

笑った顔、初めて見た…。

会ってまだ3回目だから、少しビックリした。

…けど、やっぱ恥ずかしいじゃないっ!

「きゅ、急に笑うからビックリしたじゃないっ!」
「悪かった」

橘 奏は、少し笑いながら謝ってきた。

もの凄く悔しいんですけどっ!

あたしは、そう思いながらガムシロップを入れアイスコーヒーを飲む。

「うまい」

橘 奏も美味しそうに食べていた。

「まぁ、ここのお店も美味しいけど、花田屋も負けてないわよ」

あたしは、話しを振った。


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