君に幸せの唄を奏でよう。



「ただいま」


「おかえり。遅かったわね」


橘 裕美【タチバナ ユミ】

俺の母さんで、今は二人暮らしをしている。


「時間が延びたんだ。これ、お土産」


俺は、店長からもらったケーキを渡した。


「ありがと。後で、食べましょ」


「俺は、いいよ。向こうで食べてきたから、母さんが食べな」


バイトでは食べていないが、あいつと会った時にケーキを食べたのでいらない。


「じゃあ、後で、いただくわ。ご飯食べる?」


母さんが聞いてきた。


「食べる」


俺は、いったん部屋に行き荷物を置き、リビングに行った。


「「いただきます」」


俺は、オムライスを食べた。


「明日もバイトあるの?」


母さんが聞いてきた。


「ある。明日も遅くなると思う」


俺は、答えた。


「……そう。無理しないようにね」


母さんが、心配そうに言ってきた。


「分かった」


俺は、答えた。食卓は、いつもより静かだった。


俺は、バイトを2つしている。


「バイト大変?」


母さんが聞いてきた。


「大変な時もあるけど、今は、楽しい」


俺は、答えた。


「そう。なら良かった」


母さんは、安心した顔で言った。


「ごちそうさま」


俺は、食器を台所に持っていき、洗い始めた。


「洗い物するからしなくていいわよ」


母さんが言ってきた。


「大丈夫。これぐらい俺でも出来るし」


俺は、そう言いながら洗った。


「…じゃあ、お願いね」


母さんも食器を渡しながら言ってきた。


これまで俺は、母さんにいろいろと迷惑をかけてきた。


だからこそ、自分で出来る事は自分ですると、決めたんだ。



< 83 / 284 >

この作品をシェア

pagetop