君に幸せの唄を奏でよう。



みんなが少し静まりかえった。

中には、感動して泣いている人もいた。

あたしは、凄く嬉しかった。

ライブに来てくれるお客さんに知り合いがいるのは、音夜と智香だけ。

それ以外の人は、知らない人達ばかり。

みんなの音楽とあたしの歌声を聴いて、感動して泣いてくれたり笑顔になってくれたりして、幸せを感じてくれるのが1番嬉しい。

『歌はね、知らない誰かを幸せにする魔法なのよ』

お母さんの言う通り。
この魔法は凄い。

ちっぽけなあたしでも、誰かの心を動かせたのが誇らしい。

でも、あたしがここで歌えるのは、“Sounds mind”のみんなと支えてくれた人達。

バンドをつくれたのも、みんなと出会えたから。

『歌手になれるのは周りの人が支えてくれるからなのよ』

--将来の夢が少し変わったけど、みんなが居るからステージ(ここ)に立てる。

『歌手になって、周りの人達の為、そして自分自身の為に歌ってほしいの。約束できる?』

--約束できる。いや、約束する。

あたしは、自分自身の為に“Sounds mind”のみんなの為に

あたしは、歌い続けていく。

ここに居るみんなと一緒に----。



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