君に幸せの唄を奏でよう。
「今日もお客さん、満員だったね」
佳奈が嬉しそうに言った。
「そうだね。僕たちのライブを聞いてくれる人がいると嬉しい」
浩ちゃんも嬉しそうに言った。
「そうだな。これからの方針も考えないとな」
亮太は、言った。
「はい!あたしにいい提案が「却下」
「まだ何も言ってないじゃないっ!」
亮太に却下された。
「また、妙な事を考えてるんだろ?」
亮太が、眉間にシワを寄せながら言ってきた。
「……あー。分かった。さっきの事まだ根に持ってるんでしょ?」
あたしは、亮太に言った。
「持ってねぇーよ!俺は、小学生かっ!」
亮太は怒りながら、あたしに言ってきた。
「じゃあ、あたしの提案聞いてよ」
あたしは、亮太に言った。
「……分かった。聞くだけだからな!」
亮太は、諦めて言った。
「僕も聞きたい」
「私も」
浩ちゃんも佳奈も言ってきた。
「あたしの提案は………コントをする事よ!」
「待て待て」
亮太が話しをとめてきた。
「なんで、そこでコントがでてくるんだ?お前は、話しを聞いてたか?」
「聞いてたわよ。これからお笑い芸人になるんでしょ?」
「お前は、今まで何を聞いていたんだよ?!」
「冗談よ。わざとボケたのよ」
「そんなボケいらんわ!」
「30点」
「点数をつけるなぁーー!!」
「で、こんな感じでしたらお客さんもライブも楽しめてコントも楽しめると思うの」
あたしは、佳奈と浩ちゃんに聞いた。
「面白かった」
佳奈は、笑顔で答えた。
「浩ちゃんは?」
あたしは、浩ちゃんに聞いた。
「はっきり言って、ライブが良くても面白くないコントを見せられたら、ぼったくりにあった気分になるよ」
グサッ!
浩ちゃんの言葉に、心が痛んだ。
あたしの提案は、廃案になったのは言うまでもない。