君に幸せの唄を奏でよう。
「もう、こんな時間か」
浩ちゃんは、携帯を見ながら言った。
「今、何時?」
佳奈が、浩ちゃんに聞いた。
「8時50分」
「そろそろ、帰る?」
あたしは、みんなに言った。
「そうだな、帰るか」
亮太が、言った。あたし達は、ファミレスを出た。
「もうすぐ夏休みだね」
浩ちゃんが言った。
「そうだね。早く夏休みにならないかな♪」
佳奈が嬉しそうな顔をしながら言った。
「そうね。ライブの練習も出来るしね」
あたしは、言った。
「曲もつくり放題だし」
亮太は、嬉しそうに言った。
「あたしも頑張って曲つくってみよう-」
「--やぁ」
突然、前から現れた4人組の男の集団に話しかけられた。
見覚えのある顔………。
--ッ!思い出したッ!
「この前のナンパ野郎ッ!」
「「ナンパ?!」」
亮太と浩ちゃんは、驚いていた。
「久しぶりだね。まさか、こんな所で会うとは思わなかったよ」
相変わらず、男はニヤニヤしなが言ってきた。
「あたしも、こんな所で会うとは思わなかったわ」
あたしは、睨みながら言った。
「いつ、こいつらにナンパされたんだよ?!」
亮太が、驚きながら聞いてきた。
2人には、話していなかったので、驚くのは仕方ない。
「……前に、佳奈と遊んだ時にナンパされたのよ」
あたしは、亮太に言った。
「……相原もナンパされたの?」
浩ちゃんは、佳奈に聞いた。
「………うん」
佳奈は、少し震えながら答えた。
「せっかく会えたんだから、この前のお礼させてよ」
この前と雰囲気が違う……!やばいッ!
「みんな逃げるわよッ!」
「おっと」
あたし達は来た方角に戻ろうとしたが、男の仲間達が前に立ちふさがった。
もう、逃げ道はない。