君に幸せの唄を奏でよう。
この前は、2人だったから撃退出来たけど、4人は数が多過ぎる……!
「……唄、これ頼んだ」
亮太が、自分のベースをあたしに預けてきた。
「え?亮太……?」
あたしは、まったく分からなかった。
「相原、これ持ってて」
「浩ちゃん……?」
佳奈も浩ちゃんからリュックを預かっていた。
「お前らだけでも逃げろ」
「ちょっ!なに言ってるのよ?!」
あたしは、亮太に言った。
「高橋、相原を頼むよ」
「浩ちゃん……!」
2人は、あたし達に言った。
「俺たちから逃げようってか?」
男たちがそう言いながら近づいてくる。
「いいから早く逃げろッ!!」
亮太は、切羽詰まった顔で言ってきた。
「……佳奈、逃げるわよっ!」
「えっ!唄ちゃん…!」
あたしは、戸惑う佳奈の腕を引っ張りながら逃げ道を探した。
「おっと、逃がさないよ」
もう1人の男があたし達の前に立ち塞がった。
「このっ!」
「おわっ!」
浩ちゃんのタックルを受け男が倒れた。
「浩ちゃん!」
佳奈が叫んだ。
「いいから、行って!」
あたし達は、この場を離れた。
あたし達は、離れた所に荷物を全部置いた。
「佳奈、警察に電話して。その間、あたしが見張っているから-」
「後ろッ!」
佳奈の声を聞き、後ろに振り返った。
「みぃーーつけた♪」
後ろには、さっきの男とこの前、あたしが倒した男もいた。
突然、男があたしの両腕を掴んだ。
「離しなさいよッ!」
あたしは、睨みながら言った。