◆◇遠い日の約束◇◆
◆川崎第二吹部
「………でも!
そんなこと言われたってアタシ達の気持ちが動くわけじゃない!!
アタシ達はね、とにかく栄華が憎いの!!
頑張ったのに報われないなんて嫌!!
野球部だって…ウチの野球部だってあんなに頑張って練習したのになんで甲子園いけないのよおおおお!!!
吹部は…野球部が甲子園に行って、甲子園で応援歌を奏でるのも夢にして…ずっとずっと頑張って来たっていうのに…」
果菜は泣き崩れて、その場にしゃがみ込んだ。
「……………………“夢”とか簡単に言うけどさ。
その“夢”っていうのは、全国の吹奏楽部員が思ってることと全く同じなんじゃないの?」
飛鳥が、泣き崩れる果菜を見下ろしながらそう言った。
「私たち…栄華の吹部員だって同じことを夢に掲げて頑張って来た。
だから……大舞台への出場が許されたの」
「だから!
アタシ達のほうが栄華より頑張って練習したって……」
「そんなのどうしてわかるの?」
「………………っ」