◆◇遠い日の約束◇◆
◆約束
そして…あれから何もないまま決勝がやってきた。
部員たちと杏梨ちゃんは既にグラウンドで準備をし始めている。
達也は…1回戦と同じようにベンチに座り、何も言わず下を見ている。
私は…そんな達也をただただ見つめるだけ…。
「…」
「…」
…きっと
勝ってくれるよね
約束
守ってくれるよね――――・・・
「…実波」
達也が立ち上がり、私に話しかけた。