【ND第3回】夏恋華~ナツレンゲ~
さすが、あたしの親友。
何でもお見通しなんだね…
「………アイツがいないから、かな」
浴衣姿は、見てくれる人がいるから張り切るんだ。
いつもアイツが隣で「可愛い」って言ってくれたから張り切ってたんだ。
…暑苦しい浴衣もそれほど苦じゃなかったんだよ?
いつも、あたしのはだけた浴衣を直しながら、アイツはちょっぴり怒りながら言ってた。
「女の子らしくしてよね」
って。
その言葉に続きがあったなんて、あたしは知らなくて口を尖らせ可愛くないことばっかり言って。
「いいもん、女の子らしくなんてあたしには出来っこないもんねー」
なんて、子供過ぎた自分が憎いよ。