【ND第3回】夏恋華~ナツレンゲ~



さすが、あたしの親友。



何でもお見通しなんだね…


「………アイツがいないから、かな」



浴衣姿は、見てくれる人がいるから張り切るんだ。


いつもアイツが隣で「可愛い」って言ってくれたから張り切ってたんだ。



…暑苦しい浴衣もそれほど苦じゃなかったんだよ?



いつも、あたしのはだけた浴衣を直しながら、アイツはちょっぴり怒りながら言ってた。



「女の子らしくしてよね」


って。



その言葉に続きがあったなんて、あたしは知らなくて口を尖らせ可愛くないことばっかり言って。



「いいもん、女の子らしくなんてあたしには出来っこないもんねー」



なんて、子供過ぎた自分が憎いよ。




< 3 / 22 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop