赤点彼女【短編】
赤点彼女
放課後なんてあっという間にやってきた。
特に上手い言い訳が浮かばなくって、とりあえずいつもみたいに適当な会話が続いている。
ぐだぐだ喋り続けるだけの時間が過ぎていく。
早くしないと家についちゃう。
きっかけ、きっかけ……。
「翼っ」
「何だよ」
「うー……海どうする?」
ピキーンっと翼の動きが止まった。
自分の言葉を後悔した。
海どうする?なんて質問失敗だー。
これじゃ行く気満々みたいじゃん。
「さくらは……そんなに海楽しみにしてんだな」
「あ……えと、違っ。
翼と一緒なら近場でもいいかなー、なんて」