赤点彼女【短編】
アホか私。
こんな遠回しじゃわかんないよ。
もっとズバッと言わないと『何で?』って聞き返されて終わりだ。
「……俺もそう思う」
「へ?」
「さくらと一緒ならどこでも嬉しいや」
翼の予想外の反応。
あんなに楽しみにしてたのに意外とあっさり。
どういう心境の変化?
けど……
「そーしよそーしよ。
さすが翼、私とおんなじこと考えてた」
「だろー。地元で一杯楽しもうぜ」
このチャンスは逃せない。
ここで海の予定は無かったものにしないと。
翼の気持ちが変わらないように、ひたすら2人でテンション上げて海を無くそう話をしていた。