赤点彼女【短編】
呆然と立ちすくす。
動くことも発する言葉もでない。
というか、次にどんな行動をとればいいのか分からない。
始めに動いたのは彼女の方だった。
「ごめんね。約束守れなくて」
「えっ…と。俺こそごめん。言い出しっぺのくせに」
俺も謝るとほっとしたようにさくらの表情が緩んだ。
そして……、
「一緒に座ろ。
赤点とっちゃったけど、夏休みでも会えるのは嬉しいね」
そう言って笑った彼女はやっぱり可愛すぎて俺の表情も和らぐ。
さらに同じことを考えていたことに感動し、胸が踊る。
可愛くて素直で明るいさくらは、ちょっと頭が悪くても俺の最高の彼女です。
2010,9,6