『あなた』へ
そんな毎日を繰り返し、夏が過ぎた。



秋の足音が近づいてきた9月の終わり、車で2時間くらいの場所に彼が急遽転勤になった。



(これで少しは自由になれる)



私は心のどこかで少し安心した。



そんな期待も虚しく束縛は続き、仕事が終わったらはもちろん、今何をしているか随時連絡。



電話に5分と出ないと怒鳴られ、浮気を疑われた。



その度胸が締め付けられるように痛み、涙が溢れ出す。



(全て私が悪いんだ・・・

私が電話にでないから・・・

私が心配かけるから・・・)



別れるという文字は頭の中にはなった、すべては私が悪いからと思い込んでいた。
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