『あなた』へ
(嘘でしょ?!)



泣きたいのを我慢し無理ですよと小さい声で言った。



『彼氏になんか言われたらわしが出てっちゃるけん』



(そうゆう問題じゃ・・・どうすればどうすれば・・・)



考えているうちにホテルの駐車場に停まっていた。



車を降りない私を見兼ね、普段は優しい佐藤さんはここまで来といて今更帰るとかはないからと釘を刺す。







・・・覚悟を決めた。







彼にはママの付き合いで少し飲んでから帰ると嘘のメールをした。




服を脱ぎシャワーを浴びると頭がボーッとしてきた。



自分の感情なんて消えればいいのに。



そう思うと自分が自分じゃないような気がしてきた。



そして行為が始まると堪えていた涙が溢れ出す。



『う゛っう゛っ・・・』



涙が止まらない私の横では携帯電話が鳴りっぱなしだ。



(きっと彼からだ・・・誰か・・・誰か助けてよーー・・・)


< 22 / 64 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop