『あなた』へ
『あっそぅ』



彼からの反応はたったのそれだけだった。



少しでも心配してくれるなんて俄かに期待した私が馬鹿だった。



(私はこの先この人と共にしなければいけないの?)



そう思うと深い絶望感に苛まれた。



手首を切ってみた。



苦しくて悲しくてどうしようもない想いが心を押し潰しては壊れて逝くのが怖かった。



血が滲んでいくのを見ていると心が落ち着く。



腕の痛みで心の痛みを掻き消してくれる。



許してください許してください許してください許してください許してください許してください許してください許してください許してください許してください許してください




何度願ったことかわからない。



このまま消えてなくなればいいのに。



殺されることは恐怖でも自分から死ぬのは安らぎなのだからつくづく自分勝手だと思う。



少しでも心配してほしくて優しくしてほしくて必死だった。
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