『あなた』へ
『・・・たい・・・・・・別れたい!!』



言葉にならない声で叫ぶように言った。



安心と恐怖でそのあと泣き崩れてしまった。



『わかりました』



(えっ?今彼が言ったの?)



『男と女の事だから俺らが口挟むことじゃないって思ったんだけど、マヤちゃんもこんな感じだし悪いねぇ。

俺も若いときは手あげたりしたからあんまり説得力ないけど次手出したら・・・』



彼が別れてから私に手を出さないようにママの彼氏が釘を刺してくれた。



(これで終わったの?こんな簡単に?)



私はポカンとして久しぶりの安堵感に包まれた。



『最後に聞いていい?結婚してるよね?』



ママが彼に迫った。



『もう別れたんだからどっちでもいいじゃねーか』



ママの彼氏がそれを遮るように言った。



『どっちでもよくないよ!!もし結婚してるならマヤを騙してたことになるんだよ

マヤが戸籍取ってきてって頼んだら戸籍証本取ってきたよね?それじゃ結婚してるかどうかわからないって知ってたんでしょ!?』



ママは2日前の事を言っているのだ。
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