『あなた』へ

悪魔の囁き

ピカッピカッピカッ



次の日の朝目が覚めると携帯が光っていた。



気分が乗らないがメールを開くと彼からだった。



(もう俺達終わりなんだよね?

最後に一回だけ話したい)



(やめて、もう私を苦しませないで!!)



関係を断ち切ろうと心の奥に想いを閉じ込めた、その扉をノックしてくる。



必至でドアを押さえる私は腫れぼったい目のまま、ママ達と朝食を取った。



その日は何度も彼からメールがあった。



出会ってからの思い出を歯に衣せぬ言葉をずらずら並べた長文のメールが何通も何通も届いた。



(結婚してるのを隠してたのは失いたくなかったから)



(暴力振るったのも失いたくなかったから)



(戻れないのはわかってる最後に一目でいいから会いたい)



私は扉に鍵をかけた。



決して想いが逃げ出さない様に監禁した。



そして私はすべてを着信拒否した。
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