『あなた』へ
それから私は徐々に元の生活に戻ろうとしていた。



なにかある度涙が出たりしていたけど、今はそれも少なくなった。



数日経ったある日、仕事が終わり部屋に帰り窓のカーテンの隙間から外を見ると人影が見えた。



そこには彼がこっちを見つめ立っていた。



私はとっさにカーテンを閉め疼くまると震えた。



それと同時にもうひとつの感情が生まれた。



(彼はあんなに私のことを想っているのにどうして会わせてくれないの?

彼に会いたいの!

彼に会わせて!)



(やめて・・・

やめてやめてやめてやめてやめて!!)



私は必至で押さえるのに中からそれ以上の力でこじ開けようとする私がいる。



(だめ!彼には会ってはいけない・・・!!)



そう思えば思うほどもうひとつの想いは大きくなる。



まるでそれはロミオとジュリエットの様に。
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