《完》極上☆SWEETS!!② 〜蜜色の凱旋門〜
「ありがと、貢。

あたし、まずはテーマを考えて
みるわ」


あたしがそう言ったとき、携帯の
着信音がそれに重なった。


あたしンじゃない。貢の方から。


貢はジャケットの内ポケットから
携帯を取り出すと、目線であたし
に断って、電話に出る。


「――あぁ、着いてるぞ。

……は? 遅れる?

お前な―――」


あらら。

待ち人さん、遅刻ですか。


貢は少しだけあたしから離れて、
電話の相手と話を続ける。


盗み聞きするのも悪いから、
あたしは席に座り直してもう1回
スケッチブックと向き合った。


新しいページに、『テーマ』って
書き込んで。


真っ白い紙をボンヤリと眺め
ながら、考えを巡らす……。



――ピエスと同じ、『飛翔』で
揃える?

でもそれじゃ、ワンパターンで
つまんない。


イメージしやすくて、全国共通
で――。
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