《完》極上☆SWEETS!!② 〜蜜色の凱旋門〜
「――どーしたんですか、こんな
とこで?」


細身の長身に黒いレザーの上下。


それに、もう日も暮れたっていう
のに、顔には濃いレンズのサン
グラス。


でも、特徴のある外見は見間違え
ようがない。


「怪しいカッコして、うちの偵察
でもしてたんですか? ――矢崎
さん」


そう。


あたしを呼び止めたのは、先日の
一件以来、できればもう関わり
合いたくないと思ってた、矢崎
圭吾その人。


「心外だなー。

偵察だったら、もっと堂々と
するよ?」


矢崎さんは唇の端を少し上げて、
作ったような困り声で言う。


「じゃぁ、何してるんですか?」


ルナから駅までの道で会うなんて
、とても偶然とは思えない。


一体どんなことを言うのかと
思ったら――。


「キミを待ってたんだ」



「――――――は?」



待ってた? あたしを?



「こないだのことだったら、
誰にも言わないって約束――」
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