《完》極上☆SWEETS!!② 〜蜜色の凱旋門〜
松岡さんは続けて、


「パリに留学されてたときは大変
だったようだけど。

思わぬところで、腕を活かす機会
に出会われたのね」


そう、あたしに問うように笑い
かける。


「はぁ……」


言われてることは、そのとおり。


別に、知られてものすごく困る
ようなことでもない。


……なのになんでかな。

なぜか、心にチクッと引っかかる。


「すごいわ。

それって、相当ラッキーなこと
よね」


「え……?」


松岡さんの言葉に、あたしはハッ
として彼女の顔を見た。


「ラッキー……?」


「えぇ。だってそうじゃない?

ソレイユ杯は、歴史もある世界
規模のコンクール。

そんなところで自分のデザインを
発表する機会なんて、そう滅多に
手に入るものじゃないわ」



「………………」


「私が言うのもなんだけど、
がんばってね!

もしこのコンクールで評価されれ
ば、スイーツデザイナーを名乗っ
たっていいくらいの実績よ」
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