《完》極上☆SWEETS!!② 〜蜜色の凱旋門〜
面と向かっても、かたくなに
話そうとしない亜莉紗を見て
いたら……もう、冷静さを保つ
ことなんてできなかった。



亜莉紗を信じている。


自分と亜莉紗は、そんなに簡単に
離れてしまうような関係じゃない。


知り合ってからの時間はまだまだ
短いけれど……ふたりの間には、
そんなものは関係ないくらいの
絆があるのだ。



自分は心の底から、そう思って
いた。


思っていたからこそ――亜莉紗の
態度が、理解できなかった。


『まさか本気で、矢崎サンの所に
行こうとしてるのか?』。


自分で言ってて、そんなことは
ありえない、信じられないと思う。


それなのになぜか、そんな言葉が
口をついて。


自分でも、もう自分の感情がよく
わからない……。



「……………!」


身動きした拍子に、ジャケットの
ポケットがカサリと音をたてる。
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