《完》極上☆SWEETS!!② 〜蜜色の凱旋門〜
矢崎さんは小さく口を開けて、
放心したようにあたしを見る。


しばらくの沈黙の後、まるで
独り言のように、


「天性の感覚ってことか。

さすが、神月社長の娘と言うべき
なのかな……」


「? ナニ言ってんの?

パパとかカンケーないし」


「キミは気づいてないだろう
けどな。

スイーツにこめられた思いをそこ
まで敏感に読み取るのも、立派な
才能だよ。
誰にでもできることじゃない。

だからこそキミのデザインも、
あそこまで人を引きつけるのかも
しれないな……」


ドサクサにまぎれてちょっと
ドキンとすることを言われて、
あたしは戸惑っちゃう。


でも言った本人の方が全く気づい
てないみたいで、気が抜けた
ように再びドサッと椅子に腰を
おろすと、


「お手上げだよ。

僕はちょっと亜莉紗ちゃんを
見くびってたみたいだ」
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