《完》極上☆SWEETS!!② 〜蜜色の凱旋門〜
本当にあたしを引き抜きたいと
思ってたのは松岡さんで。


矢崎さんは、それを叶えるために
協力してたにすぎないんだ。


あたしを好きなふりまでして。


「その筋書きって松岡さんの
発案なの?

だったらずいぶんと皮肉ね」


「イヤ、僕が勝手にしてること
だよ。

別に彼女に強要されてるわけ
じゃない」


「そうなの? ならなんでそこ
まで――」


「言ったろ? 
僕はペットだって。

ペットは飼い主の役に立ちたい
ものじゃないか」


そう答えた口調は、普段通りの
冗談めかしたものだったけど。


今なら気づく。


レンズの奥の瞳は、笑ってない。


寂しそうな悲しそうな光が、
小さく宿ってる……。


「わっかんない。

頼まれてもないなら、そこまで
する必要ないじゃない。

松岡さんの希望とはいえ、これは
ビジネスでしょ」
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