《完》極上☆SWEETS!!② 〜蜜色の凱旋門〜
手を止めて『?』って表情を
向ける爽介に、矢崎さんは軽く
ほほ笑んで、


「こっちのコは?

紹介してくれないの?」


って、目であたしを示す。


「あ、えっと……」


急に振られたんで、あたしも
戸惑って爽介を見た。


爽介は一瞬だけためらうような
顔をしたけど、すぐにそれを
掻き消して、


「うちの店のスタッフですよ。

神月亜莉紗さん」


そして、あたしにも顔を向けて、


「亜莉紗。

こっちがここのホテルのシェフ・
パティシエ、矢崎圭吾(やざき・
けいご)さんだ」


「どーも、はじめまして」


爽介の紹介を受けて、気さくな
笑顔で挨拶してくる矢崎さん。


なんか、軽いってワケじゃないん
だけど、どこかひょうひょうと
した感じのする人だな。


「あ、はじめまして……」


ライバルってわかってるだけに、
あたしはどの程度フレンドリーに
接したものか迷って、曖昧な
笑顔で返したんだけど。


「へー。

ディナーに連れてきたってことは
もしかして桐生クンのカノジョ?」
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