《完》極上☆SWEETS!!② 〜蜜色の凱旋門〜
アジア系の顔した人もそこかしこ
で見るし、飛び交う声も様々。


カメラやビデオ片手に撮影しま
くってる人もいっぱいいるけど、
あたし達はその中を、通りの風景
を眺めながらゆっくり歩いてく。


沈黙が居心地悪かったわけじゃ
ないけど、先に口を開いたのは
あたしだった。


聞きたいことが沢山ありすぎて、
時間が足りないんじゃないかって
思って。


「どうなの? 明日の準備は」


その問いかけに、爽介は言葉を
選ぶように少しだけ考えてから、


「課題は全部やり尽くした。

こっちの機材にもそこそこ慣れた
し、後は本番でどれだけいつも
どおりの力が出せるかだな」


「そっか……」


本番には審査員だけじゃなく、
一般のギャラリーもいる。

その中でいかに冷静にいつも
どおりの仕事ができるかは、
たしかにもう精神力の問題。
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