《完》極上☆SWEETS!!② 〜蜜色の凱旋門〜
専門家が『独創性にあふれ』って
評するのも、頷ける気がした。


「あのひょうひょうとした人が、
こんなスイーツ作るんだ……」


意外なような、すごく納得できる
ような。


相反する感情が、あたしの胸の
中をグルグルしてる。


しかも――。


「この人の作るチョコレートの
スイーツって……どんななん
だろ」



そう。


コンクールはあくまで、ショコラ
ティエとしての技術を競うもの。


矢崎さんも爽介と同じで、厳密に
言えばショコラティエじゃない。


でも、チョコレートを扱う技術も
充分優れてるから、こうやって
2人とも決勝進出を果たしたわけ
だけど。


――矢崎さんのチョコレート
スイーツは、イロイロ探してみた
けど、たいした画像は見つけられ
なかった。

やっぱりメディアには、カラフル
な方がまず注目されるのかも
しんない。



……これだけ目を引くものを作る
人の、チョコレートのスイーツ。


なんだか得体がしれなくて――
あたしの胸は、さらにモヤモヤ
した感情でいっぱいになってくる。
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