《完》極上☆SWEETS!!② 〜蜜色の凱旋門〜
ついでにPC画面の開いてたウィン
ドウを全部閉じて、不安材料の
矢崎さんの記事を視界から消し
ちゃう。


「思い出すのよ亜莉紗。

二次予選の前の気持ちを――」


知らぬが仏、じゃないけど。


あのときは何を恐れることもなく
、爽介を信じてたじゃない。


傍で爽介を見守れないことだけが
心配で不安だったけど。


でも、爽介の勝利自体は疑うこと
もなかった。


あのときの気持ちを――。





と、そのとき。



まるであたしの心にハッパを
かけようとでもしてるように、
机に置いてあった携帯の着信が
鳴り響いた。


「…………!」


思い切りビクッと肩を震わせて、
携帯を手に取るあたし。


ディスプレイに表情されてる
名前は――、



「――爽介!」



……なんってタイミング。


なんか、あたしの心が見透かされ
てるみたい。



「……ハイ」


極力何気ないふうを装って応答
すると、受話器の向こうから、
聞き慣れたいつもの第一声。


『よぉ。今イケるか?』
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