《完》極上☆SWEETS!!② 〜蜜色の凱旋門〜
「だいじょーぶよ」


『そか。

今、新条さんから電話あってさ。

本選のことで、事務局から連絡
入ったらしーんだ』


「――――えっ!?」


話題までが、まさに今考えてた
ことだなんて。


あたしは、跳びはねる心臓を落ち
着かせるのに必死だった。


『詳しいことは、後日改めて
説明会があるそうなんだけど。

とりあえずコンクールの開催日と
渡航期間は、電話でも教えて
くれたらしーからさ。

お前にも報告と思って』


「そ、そう――。ありがと」


……いよいよ、動き出したんだ。


緊張が体をこわばらせるのが
わかった。


携帯を握る手に、自然グッと力が
こもる。


『………?

どーした? 

なんかお前、声おかしくね?』


「え――――」


声は、精いっぱい取り繕った
つもりだったのに。


爽介ってば、キホン自己中なクセ
に、なんでか周りに対しても
やけに鋭いんだから。



でも、爽介に今さっき考えてた
ことなんて、とてもじゃないけど
申し訳なくて言えない。
< 38 / 348 >

この作品をシェア

pagetop