《完》極上☆SWEETS!!② 〜蜜色の凱旋門〜
「だって、爽介は予選で矢崎サン
の作品見てるだろーけど、あたし
は見てないし。

気になるから、調べて想像する
しかないじゃない。

けど想像してたら、イロイロと
余計なことまで考えちゃうん
だもん」


『調べるのはかまわねーけどさ。

それでヘコんでてどーすんだよ。

気持ちがおじけづいてたら、
勝てるモンも勝てねーぞ』


爽介の口調に怒ってる感じは
ない。

あたしに教えるように、ひとこと
ひとこと丁寧に話してくれてた。


『お前のこと頼りにしてるから、
昨日だって矢崎サンのとこ連れて
ったんだぜ?』


「え………?」


思いがけない言葉に、ドキンと
心が跳ねる。


――頼りにしてる? あたしを?


「あたし、デザインのことしか
できないのに」


『それで充分だろ。

でもお前、それだけじゃねーよ。

やっぱ昔からいいモン食ってる
せいか、試食させてもすげー
的確な評価くれるし』


そうなんだ……。


あたしはいつも、思ったままを
言ってるだけだったんだけど。
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