《完》極上☆SWEETS!!② 〜蜜色の凱旋門〜
みんなと一緒にがんばっていけば
いい。

――そう、思ってるから。



あたしの気持ちは、きっと爽介
にも伝わったんだと思う。


ほんの少しの沈黙の後、彼はもう
自分の意見を押すこともなく、


「……ま、お前がそーゆーなら」


って、答えてくれたから。


「ウン。

じゃあ、寝よっか」


「ヤダ」


「――――は?」


――今、なんてった?


「だから、今夜はもういいって
……」


「それはわかったって。

けど、すぐには寝させねー」


クルン、と。


爽介があたしの腰に回してた手の
片方を使って、器用にあたしの
体を回転させた。


「えっ……きゃっ!」


唐突だったし、手は水切りに
グラスを置いたとこだったし、
思わず小さく叫んじゃうあたし。


おまけに、上半身についてけない
足がもつれてバランスを崩して、
そのまま爽介の胸に顔をうずめる
みたいになる。


「爽介っ、急に危な―――!」


パッと上を向いて抗議しようと
した声は、すかさずふさがれた。
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