同居生活?!
俺の胸の中で、泣いているのにかわいいことを言うこの子は、本当に高部か?
下から俺を見ながら、上目遣いも、全部計算なのか?


そうだとしたら高部、お前は女優になれるよ
だって、俺は年甲斐もなく顔が真っ赤だと思うから


「先生?ちょっと聞いてる?!」


へっ?


「あーーっ!聞いてなかったの?!
もう知らないっ、一生一言ってやらないからねっ?!」


手に力が入らなくて、簡単に俺の胸から出て行き、ドアのほうへ帰ろうとしている。


「バイバイっ…きゃっ」


「帰すわけないだろ??高部、ありがとう…俺も、大好き」


「~~っ、聞いてないかと…思ったじゃないっ!!!もうっ、うぅっ…ひっく」


ドアの前で高部を抱きしめて、耳元で大好きと言った俺の言葉に高部は泣いてしまった。
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