年上の事情
うわ…お父さん以外の男の人の車乗ったの初めて。

っていうか、お父さんの車の中と全然違う。

いい匂い。

「あの、初めまして。相沢ゆいです」

その前に、学校以外で年上の男の人と喋るのなんか初めてだ。

ちゃんと話し出来るかな?

後部席から大きな声で挨拶をすると

「おー、ノゾミから話聞いてるよ。ゆいちゃんだね」

「あはは、元気いいね」


前の席から明るい男性の声が聞こえた。

「あはは。ゆいってば緊張してるんだ!あ、ゆい、髪の毛染めたんだ。超似合うよ!」

「えへへ、ありがとう」


染めた髪の毛に

夜遊び。

私は中学二年の夏休みに大きく変わろうとしていた。


「ノゾミちゃん、宿題進んでる?」

「うぅん。今だに真っ白~」

ノゾミちゃんらしい。

いつもいつも嫌いな授業の時は寝てるもん。



私達4人はカラオケに行く事になった。

まぁ、時間的に空いてるとこなんかカラオケぐらいだろうな。

当時はまだ

インターネットカフェなんか出来てなかったし。

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