年上の事情
駐車場に車を止め、外に下りると

「うわ、ゆいちゃんってちっちゃいんだね~」

助手席に座ってたお兄さんのお友達が笑いながら私の頭を撫でて来た。

失礼な!とか思いながら




お父さん以外の男の人に頭を撫でられて

びっくりした…、と同時に

一瞬、心臓がドキッと跳ねた。


駐車場の電気の下で見えたその人。

背が高くて

オレンジに近い髪色。

シルバーのネックレス。

左耳だけにつけてるピアス。







中学二年生の私には、とても大人に見えてしまった。


かっこいい人。


「俺、シンヤって言うんだ。ゆいちゃんの5つ上だよ」


って事は、19か二十歳かな?

シンヤさんというこの男性に見とれていると


「ゆい、早く早く」


「あ、待って~」


置いて行かれそうになっちゃった。

車の運転してるんだもん、それぐらいだよね。

受付を済ませ室内に入ったはいいものの…

私の緊張はまだ溶けないでいる。

さっき、シンヤさんに撫でられた頭がまだ熱い。

心臓が痛いっていうか、息苦しい。

「ゆいちゃん達、何飲むの?」

「私、コーラね。ゆいは?」

「え、えっと…ジンジャーエール」

名前を呼ばれただけでも緊張してる。


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